ブログ・施工実績

LAN配線工事はもう不要!コンセントがLANポートに変わるパナソニック「Nessum(ネッサム)」とは?

パナソニック「Nessum(ネッサム)」とは?


引用:nessum™対応 PLCアダプタ(LAN変換) | Panasonic

はじめに、パナソニック「Nessum(ネッサム)」の概要について解説していきます。

パナソニックが提供するPLCアダプター(LAN変換)

Nessum(ネッサム)とは、パナソニックが開発した「高速電力線通信(PLC:Power Line Communication)」技術の名称です。そして、この技術を活用した製品のことを、「PLCアダプター」と呼びます。

PLCを一言で説明すると、「建物に既に張り巡らされている電気の配線(電力線)を利用して、データ通信を行う技術」のことです。

通常、インターネットのデータは「LANケーブル」や「Wi-Fiの電波」を通じて送受信されます。しかしPLC技術を使えば、電気のコンセントに専用のアダプターを差し込むだけで、その電力線がLANケーブルの代わりを果たしてくれるのです。

これにより、今までWi-Fiが届きにくかった部屋や、LANケーブルが配線されていなかった場所でも、コンセントさえあれば安定した有線LAN接続が可能になります。

Nessumは、私たちのインターネット環境をよりシンプルで快適なものに変える、革新的なソリューションといえるでしょう。

パナソニック「Nessum」の使い方


引用:nessum™対応 PLCアダプタ(LAN変換) | Panasonic

Nessumの大きな魅力の一つは、その導入の手軽さにあります。専門的な知識や複雑な設定はほとんど必要ありません。ここでは、基本的な使い方を2ステップでご紹介します。

親機(マスター)をルーターに繋いでコンセントに差すだけ

まず、親機となる「マスターアダプター」を用意します。

  1. ご家庭やオフィスに設置されている光回線ルーター(インターネットの大元となる機器)と、マスターアダプターをLANケーブルで接続します。
  2. その後、マスターアダプターをルーター近くのコンセントに差し込みます。

たったこれだけで、マスターアダプターを差し込んだコンセントが基地局となり、建物全体の電気配線にインターネットのデータ信号が流れるようになります。

子機(ターミナル)を使いたい部屋のコンセントに差せば有線LANポートに

次に、子機となる「ターミナルアダプター」を使います。

  1. インターネットを利用したい部屋(書斎、子供部屋、会議室など)へ行きます。
  2. その部屋にあるコンセントに、ターミナルアダプターを差し込みます。

すると、ターミナルアダプターに搭載されているLANポートが、壁に設置されているLANポートと同じ役割を果たします。あとは、そのLANポートとお使いのパソコンやゲーム機、テレビなどをLANケーブルで接続すれば、すぐにインターネットを利用開始できます。

Wi-Fiのパスワードを入力する程度の簡単な初期設定が必要な場合はありますが、基本的には差し込むだけで使える手軽さがパナソニック「Nessum」の特徴です。

【工事不要】Nessumを導入する4つのメリット

Nessumの導入は、単に「便利」というだけでなく、コスト面や通信品質においても多くのメリットをもたらします。ここでは、特に注目すべき4つのメリットを掘り下げていきましょう。

メリット1:面倒な配線工事が一切不要

最大のメリットは、なんといってもLANケーブルの新規配線工事が完全に不要になる点です。

通常、有線LANを新しい部屋に引く場合、以下のような作業が必要になることがあります。

  • 壁に穴を開けてケーブルを通す
  • 天井裏や壁の中にケーブルを隠蔽する
  • 長いケーブルを壁際や床に這わせる

これらの作業は見栄えを損なうだけでなく、賃貸物件ではそもそも許可されないケースも少なくありません。Nessumなら、既存のコンセントを使うため、建物を傷つけることなく、どこでもインターネット環境を構築できます。部屋のレイアウト変更にも柔軟に対応できるため、ネット環境を構築する際の非常にスマートな解決策といえるでしょう。

メリット2:工事費を大幅に削減!コストは1/4になることも

配線工事が不要ということは、高額な工事費用をまるごと削減できることを意味します。

例えば、一般的なご家庭で1階のルーターから2階の子供部屋へ有線LANを引く場合、通常4万円から5万円程度の工事費がかかります。(配管が無い場合は10万円前後かかる場合も)

これが事業所となると規模はさらに大きくなり、ルーターから30m離れた部屋まで配線する場合、12万円から13万円ほどの費用になることも珍しくありません。

一方、Nessumのアダプターは市場価格で1台あたり約28,000円です。(定価は税抜34,500円)

親機と子機で2台導入したとしても、多くのケースで工事費用より安価に済みます。特に事業所の場合、配線工事に比べて全体のコストを約1/4程度まで抑えられる可能性があり、劇的なコスト削減効果が期待できます。

メリット3:Wi-Fiより安定した有線接続が実現

Wi-Fiは非常に便利ですが、「電子レンジを使うと通信が途切れる」「壁や階を隔てると極端に電波が弱くなる」といった経験はありませんか?

Wi-Fiは無線(電波)で通信するため、物理的な障害物や他の電化製品からの電波干渉を受けやすいという弱点があります。その点、Nessumは電力線を利用した有線接続なので、Wi-Fiのような外部要因による通信の不安定さがなく、安定した高速通信を維持することができます。

特に、以下のような用途では、Nessumの安定性が大きな力を発揮します。

  • 在宅ワークでのオンライン会議:映像や音声が途切れるリスクを低減します。
  • オンラインゲーム:ラグ(遅延)が勝敗を分けるシビアな環境で有利になります。
  • 高画質な動画ストリーミング再生:読み込みで待たされるストレスが軽減されます。

ただし、注意点として、Nessumはあくまで「建物内の通信を安定させる」技術です。夜7時〜8時など、地域全体のインターネット回線が混雑する時間帯の速度低下を解消するものではない点は理解しておきましょう。

メリット4:IT導入補助金の対象になることも

法人や個人事業主の方にとって、NessumはIT導入補助金の対象となる可能性があります。

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートする制度です。オフィスのネットワーク環境整備は、業務効率化に直結する重要なIT投資です。

Nessumを導入することで、配線工事費をなくし、さらに補助金を活用できれば、非常に低いコストで社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できるでしょう。

電気工事のキューケンだからできる「Nessum設置+α」のご提案

Nessumは家電量販店やオンラインストアでも購入できるかもしれません。しかし、私たちキューケンシステムのような電気工事の専門家にご依頼いただくことで、他にはない大きなメリットが存在します。

Nessumの導入に合わせてコンセントを増やしませんか?

Nessumは非常に便利ですが、アダプターの設置にコンセントの差し込み口を1つ使用します。

「ただでさえコンセントが足りないのに、1つ埋まってしまうのは困る…」そう感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私たちキューケンシステムは、電気工事のプロフェッショナルです。Nessumの導入に関するご相談をいただく際に、お客様のオフィスやお住まいの電気設備全体を拝見し、最適なご提案をすることが可能です。

  • 「パソコン周りのコンセントが不足している……」
  • 「この場所にコンセントがあれば、もっと便利なのに……」

こんなお悩みがある場合、キューケンシステムならNessumの設置と合わせて、コンセントの増設工事も承ります。Nessumの販売だけでなく、お客様の生活や仕事がより快適になるためのトータルサポートまで行えることが、電気工事のキューケンの強みです。

なお、コンセント増設の費用などについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。

>>熊本県でコンセントを増設する費用は?増やす方法や注意点

>>アース付きコンセントとは?種類や必要なコンセントを見分ける方法

Nessumの導入ならキューケンシステムにお任せ

この記事では、パナソニックの画期的なPLCアダプター「Nessum」について、その仕組みからメリット、そしてキューケンシステムならではの活用提案までご紹介してきました。

Nessumの特徴やメリットをまとめると、以下の3つになります。

  1. 面倒なLAN配線工事を不要にする
  2. 高額な工事費を大幅に削減できる
  3. Wi-Fiより安定した有線接続を実現する

Nessumは、まさに現代のインターネット環境の悩みを解決する画期的な製品といえるでしょう。

ご家庭での利用はもちろん、コストを抑えてネットワーク環境を整備したい事業所にも、Nessumは最適です。

はじめて、Nessumの導入を検討されている方は、電気工事のプロであるキューケンシステムまでお気軽にお問い合わせください。